セグメンテーション

セグメンテーション

 

セグメンテーション、ターゲティング

 

ポイント

 

マーケティングでは企業が市場に効果的にアプローチするために、「セグメンテーション」と「ターゲティング」を行う。前者は共通するニーズに着眼しながら市場を意味のある集団に分けることであり、どのような変数を使ってセグメントを切り出すかが鍵になる。

後者はその中からターゲットとする市場を選択することを指す。特定のセグメントに絞り込むことは、その後のマーケティング施策や売上収益性などに大きな影響を与えるので、自社や競合他社、市場環境を踏まえて戦略的に意思決定する必要がある。

 

理論

 

どのような顧客にどのような製品を提供するかは、企業を経営していく上で最も基本的な意思決定である。セグメントを選択するということは、特定の顧客がその他のステークホルダーあるいは特定の技術分野にコミットすることであり、それと同時に競合相手をも選択することを意味する。セグメントの選択は大きく二つの手順ー「セグメンテーション」と「ターゲティング」で行われる。 それぞれについて詳しく見ていこう。

 

セグメンテーション

 

市場とセグメント

 

最初に「市場」と市場セグメントの違いを明らかにしておこう。市場とはニーズやウォンツを持った人々の集合全体のことである。人々のニーズが顕在化していないこともあり、導入期の製品はもちろんのこと、成熟化したと思われている製品でも、思わぬ潜在市場が隠れているかもしれない。また同じ製品であっても、その市場が必然的に決まるというわけではない。例えば高級ハムの場合、その製品を「食品」と捉えるか、「贈答品」ととらえるかで潜在的な市場規模に大きな差が出てくるだろう。

セグメントとはその市場の中で共通のニーズを持ち製品の認識の仕方、価値観、使用方法、購買行動が似ている顧客の集団である。例えば、乗用車市場の中でも高級車メーカーのベンツや BMW が狙うセグメントと、 軽自動車メーカーのスズキやダイハツが狙うセグメントでは、顧客の特性が求めるニーズが明確に異なっている。

 

セグメンテーションの意義

 

全ての消費者に向く製品を万人に売り込むということは、企業にとって効率が良いようだが、必ずしもそうではない。人々のニーズが多様なので、万人向けの製品を作ろうとすれば、 製品コンセプトが曖昧になり、非現実的な価格になってしまったりするからだ。

かといって、一人ひとりのニーズに合わせた製品提供は、オートクチュールなど特殊なビジネスを除けば経済的には見合わないし、他人が持っているから欲しいという消費者の欲求にも応えられない。また、経営資源の制約という問題もある。どんなに良い製品であっても市場全体を相手にしていたのでは経営資源は早晩枯渇してしまう。そこで生まれたのがセグメンテーションを用いたターゲットマーケティングの考え方である。まず不特定多数の顧客をマーケティング戦略上、同質として考えても差し支えないと判断される小集団に分ける(セグメンテーション)。そして一定のマーケティング活動に同じように反応する特定セグメントに照準を合わせて(ターゲティング)、マーケティングの資源を集中投下するのである。

 

 

セグメンテーション変数

 

セグメンテーションを行う時には通常顧客の属性や価値観、購買行動、使用パターンなどに関するリサーチを行い、因子分析やクラスター分析などを駆使しながら、いくつかの共通項でグループ分けして、各グループの性質や特徴を明らかにしていく。

ではどのようにグループ分けすれば意味のあるセグメンテーションと言えるのだろうか。実はこのセグメントに分けるときの切り口の発見こそが最も困難でかつ重要なポイントであり、マーケティング担当者の手腕が問われる部分でもある。 ニーズや購買行動に基づき、試行錯誤を重ねながら、様々な変数の中から最適な変数を見つけ出すのが一般的である。マーケティングの実務では以下の変数を組み合わせて使うことが多い。いくつかの変数を同時にあるいは段階的に用いることもある。

 

変数(切り口)

 

1地理的変数 

地方:関東関西など 例)九州限定博多明太子

気候:寒暖季節など 例)花粉症対策グッズ

エリア特性:都市部郊外地方など 例) 農村型ホームセンター

 

2.人口動態変数

年齢:少年、若者、中年、高齢者 例)少年誌

性別:男、女 例)男性誌

家族構成:既婚、未婚 例)旅行会社のお一人様宿泊プラン

所得:年収一千万円以上、300万円以下 例)高級車ベンツ

職業:サラリーマン、主婦 例)栄養ドリンクリポビタンD 

3.心理的変数

ライフスタイル:環境、都会型など 例)ハイブリッドカープリウス

パーソナリティ:新しいもの好き、保守的 例)新製品情報サイト

 

4.行動変数

求めるベネフィット:経済性、機能性 例)高級腕時計オメガ

使用率:ノンユーザー 例)化粧品のお試しセット