ポジショニング1

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ポジショニング



ポイント



ポジショニングとは「ターゲット顧客に、自社の製品をどう認知させるか」 を決定することである。
顧客ニーズを満たす優れた製品であっても、その価値が顧客にうまく伝わらなければ意味がない。また、マーケティングの勝敗を決するのは「顧客にとって最も魅力的な製品であること」よりも「顧客にとって最も魅力的な製品だと認識してもらうこと」なのである。


理論



どれほど優れた製品を作っても、顧客がその価値を認めなかったり、正しく理解してもらえなければ購買には至らない。自社の製品のどこが良いのか、競合製品とどのように違うのかを明確にすることで、購買するに足る価値があることを消費者に理解してもらう必要がある。そのための活動であるポジショニング概念や手順について解説していく。

 

ポジショニングの基本



ポジショニングとは、ターゲットである顧客に自社製品がどのように魅力的であるかを認知させるための活動である。
競合となりうる製品の中から自社の製品を選択してもらうためには、消費者にとってどれだけ魅力的な価値を提供しているのかを明確に示し、それを認識してもらわなくてはならない。
ポジショニングを考えるときに注意したいのは、製品の売れ行きを決するのは、他社製品と比較してより優れた製品であるかどうかよりも「顧客が魅力的な製品だと認識しているか」どうかであるということだ。企業はとかく自社の視点で最高品質を追求しやすいが、消費者が評価するか、価値として認識するかという視点が欠けていると、多大な努力を注いでも報いられない結果になってしまう。ポジショニングはマーケティングミックスの方針を最終的に決定づける。

例えば若い女性をターゲットとした自然食レストランを開こうとするとき、それだけの情報では、具体的にどのような施策を取るべきかまだ定かではない。ナチュラルで安全なイメージを打ち出すのか、洗練されたイメージを打ち出すのか、リラックスできる癒しの空間を作るのか、ちょっぴり贅沢な非日常空間を作るのか。お客にどのように感じてもらいたいかによって、店の名前、メニュー、価格、店舗の設計や雰囲気、コミュニケーションの仕方など、全てが変わってくる。
このようにポジショニングに沿って、その後のマーケティングミックスが設計されることになるので、ポジショニングの決定はマーケティング戦略上の極めて重要な意思決定と言える。

戦略的ポジショニングの作り方


ポジショニングを検討するアプローチとしてまず自社製品のユニークさを認識してもらえる簡潔な表現を考えるやり方がある。これは、その製品のコンセプト自体がこれまで以上になかったような場合には特に有効である。
製品のコンセプトそのものが顧客にとって全く新しい場合、他の製品と比較するよりも、新しい価値観やコンセプトをそのままポジショニングとして提案してみるのは一つの有効な方法である。もうひとつのアプローチは、いくつかの軸を取ってマップを作り、競合の製品をマッピングしてみるやり方だ。同じ製品カテゴリーの中で自社製品の優位性を訴えるような場合に効果的である。、他の製品との違いを明確にすることで自社製品の優位性がはっきりするからだ。マッピングに空白箇所が見つかれば、それが新製品のアイデアにつながることもある。また同じカテゴリーに自社製品が複数存在する場合には、製品の特徴がそれぞれどう異なるかを確認整理することができる。


顧客が強烈に認識する特徴の抽出


顧客が多数の製品の中から最終的にある製品を選択する時に決定打となる要因を、KBF (キー・バイイング・ファクター)購買決定要因という。例えば似たような T シャツがたくさんある中で、デザインやサイズなどを吟味してても、最終的に一番安いものを選んだとしたら、その人の KBF は価格ということになる。
価格に敏感な顧客層をターゲットにするなら、「安さ」を打ち出したポジショニングが良さそうだ。しかし実際には、顧客が値段だけで選んでいるかと言うと、そうでもない。旅行客ようの土産品であればその土地のものであることがわかることも重要な購買理由であろう。つまり、ポジショニングでは KBF を意識しながら、自社製品の特徴を見つけていく必要がある。ポジショニングを検討する時には戦略的に有効な二つの特徴を絞り込んで、2軸のマップ「ポジショニングマップ」で表現することが多い。

自社の製品の特徴を顧客にアピールしようとするとき、優れていると思うことを全て言いたくなるものだ。しかし、経験的に、一人の顧客が特定の製品について強く認識する特徴は二つまでと言われている。それ以上だと総花的に聞こえてしまい、「自社の製品が良いと勝手に言っているだけ」という印象を与える。また「色々といいらしいが結局は何が優れているかわからない。」というように、特徴がぼやけてしまったりする。訴求したい要素を思い切って絞り込まなくてはならない。