製品戦略1

製品戦略1

製品戦略

ポイント

 

マーケティングでは製品そのものの属性だけではなく、付随するサービスなども含めたより広義な「ホールプロダクト」として製品を捉える。顧客が求めているのは様々な便益の束としての製品であるからだ。製品戦略では新製品開発だけでなく、製品特性やライフサイクルを踏まえて製品ラインの拡張や集約など、市場投入後の製品の育成やマネジメントについても検討していく。

 

理論

 

企業活動において製品(サービス含む)こそがまさに価値を生み出すものである。売るべき製品が手元になくては、どんなに精微に価格戦略や流通戦略コミュニケーション戦略を考えたとしても、何の意味もない。他のマーケティング戦略に先駆けて練らなくてはならない戦略、それこそが「製品戦略」である。

ここからは、製品の捉え方、開発プロセス、製品ラインの設計、製品ライフサイクル、プロダクト・エクステンションについて解説する。

 

製品の捉え方

 

お客が求めるのは、様々な便益を一括して手に入れられるような製品である。狭義には、製品は製品そのものの属性を指す。だが、マーケティングの観点からはこれを広義に捉え製品そのものの特性に加えて、売り手が提供する技術サービス、支払い方法、売り手と買い手の間で育まれる人間関係まで含んだ包括的な製品「ホールプロダクト」として考えた方が良い。なぜなら顧客は様々な便益の束として製品を捉え評価するからだ。

 

製品に関する意思決定

 

製品は3つの階層から構成されている

 

「コア」

:顧客の本質的なニーズを満たす機能そのもの

 

ビールや清涼飲料であれば液体そのもの。プロ野球であれば試合そのものを指す。

 

「形態」

:コアに付随する製品特性、スタイル、品質、ブランド、パッケージなど

 

飲料であれば斬新な缶のデザインやパッケージ、プロ野球であれば「ジャイアンツ」というブランド名や球場での飲食がこれにあたる。

 

「付随機能」

:アフターサービスや保証など顧客が価値を認める付加機能。

 

家電メーカーの修理サービス網などがこれに含まれる。製品によっては、保守サービス、テクニカルサポート、情報サービスなどが特に重視されることがある。

これら3つの階層のどの部分がマーケティング戦略において重要かは、その製品特性や市場の発達段階で異なる。例えば書籍であればコンテンツ(コア)と著者というブランド(形態)が重要だが、コンピュータでは利用可能なソフトや様々な付加機能(形態)、アフターサービスや保証(付随機能)などがより大きな意味を持ってくる。また、その製品が導入期であればコアそのもの、そして形態で差別化することが最大の関心ごととなるが、市場が発達して同様の製品が出回り、機能や性能などでの差別化が難しくなれば、コンサルティング・サービスのような付随機能での差別化が必要になるかもしれない。それぞれの階層の中で、どの要因が最も重要であるかは、製品によって異なる。例えば、パソコンは性能や仕様などが重視されるのに対し、化粧品はブランドやパッケージなどが製品の魅力づくりに大きく影響する。