製品戦略2

製品戦略2

製品の類型

 

製品はその特性により、マーケティング戦略を策定する上で有意義なカテゴリーに分類されている。様々な分類法があるが、マーケティングの実務上で特に重要なのが、

①製品の物理的特性による分類

②使用目的による分類

③顧客の購買行動による分類

 

である。こうした違いによって、セグメンテーションや重視するポイント、マーケティングミックスの設計などが多少異なることもあるが、「セグメンテーション→ターゲティング→ポジショニング→マーケティングミックス」という一連のマーケティング・プロセスや検討すべきポイントそのものが変わるわけではない。それでは、各分類の特徴を見ていこう。

 

①物理的特性による分類

「耐久財」

:自動車、家電製品、コンピュータ、衣料品など

 

何回も使用でき、試用期間も長い 有形 の製品をさす。

非耐久財と比べて耐久財は、一般に製品一個あたりの価格が高く、販売個数が少ない。耐久財のマーケティングにおいては、人的販売や製品保証、アフターサービスの重要性が高い。そうした手間がかかる分、粗利益率を高めに設定する必要がある。

 

「非耐久財」

:飲料、食品、電球など

 

使用回数が少なく、期間も短い 有形の製品である。非耐久財のマーケティングにおいては、初期購入のみならず再購入を促進することが大きな課題であり、そのために店頭シェアの獲得や継続的なマス広告の重要性が高くなる。価格を低めに設定してでも量をさばくことで店頭シェアを高め、広告費を捻出する場合が多い。

 

「サービス」

:航空、運送、金融、ホテルなど

 

無形の製品であり、その取引対象は「機能」である。耐久財、非耐久財と違い、生産の場がそのまま販売の場であり、消費の場でもある。また、特定の場所で、特定の時間に提供され、一旦提供されると修正や返品ができない。品質を一定のレベルに揃えにくいという特徴もある。

サービスのマーケティングにおいては、形が見えないだけに売り手に対する信頼性の重要度が高い。またひとたび顧客の信頼を勝ち取ってリピーターにしてしまえば、高い収益性を得る可能性が高まる。

 

ただし、モノとサービス、有形と無形というような分類はあくまでも概念的なもので、現実のビジネスはおよそ多かれ少なかれ両方の要素を併せ持っている。

 

②使用目的による分類

 

「消費財」

:食料、衣料品など

 

不特定多数のエンドユーザーを対象市場とし、個人の消費を目的に提供される製品。顧客が分散しているため、マス・マーケティングが中心となる。顧客は必ずしも製品に関する知識が豊富でないため、イメージなどが重要な判断基準となる傾向が強い。

 

「生産財」

:工作機械など

 

生産者、再販売業者、政府機関などの組織体が対象市場。生産財市場の顧客は全体的な傾向として、消費財市場よりも大規模で小数である。また専門知識を持っていることが多く、購買の判断基準も概してコストパフォーマンスをシビアにみる傾向にある。一般的には人的販売が有効とされる。

 

③顧客の購買行動による分類

 

「最寄品」

:タバコ、洗剤、雑誌など

 

消費者が特別な努力を払わずに頻繁に購入する製品。一般に製品単価は低く、最寄りの店で購入される。最寄品は計画的に購入されることが少ないため、製品へのアクセス機会を確保すること、すなわち、多くの小売店になるべく多くの製品を陳列してもらうことが売上増の決め手となる。

 

「買回品」

:家具、家電製品、マンションなど

 

消費者が、いくつかの製品を十分に比較検討した上で購入する製品。手間と時間をかけて買い回る、複数の店舗や売り場に足を運んで購買を検討する製品であり、一般に製品単価は高い。マンション、中古車のように個別性が強い製品も多い。価格と品質が、顧客が最も重視するポイントである。

 

「専門品」

:高級自動車、高級ブランド製品など

 

購入にあたって特別な知識や要する製品。一般に製品単価は高く、販売している店舗数も限られているが、購買者はわざわざ店に出向いてその製品を指名買いする。専門品として競争力をもつためには、ブランドの構築や維持を最優先にしたマーケティング戦略を策定する必要がある。パソコンのように、かつて専門品だったものが普及度が上がるにつれて買回品となることも多い。