製品戦略4 新製品開発プロセス②

製品戦略4 新製品開発プロセス②

3.製品コンセプトの開発

 

スクーリングを得たアイデアは、誰にどのようなベネフィットを与えるかを念頭に置きながら、明確かつ詳細なステートメントに表す。

 

製品コンセプトとは、

「想定するユーザーが、実際にそれを使用している場面をイメージできるまで具体化されたアイデア」

「基本的なアイデアを、消費者にとって意味がある形にして、分かりやすく説明したもの」を指す。

製品コンセプトは「コンセプト・テスト」を通じて詳細まで詰めていく。コンセプトテストでは、「だれがこのコンセプトに共感するか」「競合製品に対する優位性は何か」「考えられる改良点は何か」「価格はいくらするか」「使うのは誰か」「購入決定者は誰か」などを徹底的に検証する。

製品コンセプトを明確化していく過程と並行して明らかにすべきなのが「ターゲット市場」「ポジショニング」である。すなわち、製品コンセプトそのものが、想定される顧客の購買理由であり、市場価値なのである。また比較検討されて絞り込まれたコンセプトは、製品化の具体的な検討にあたって、全ての関連部門が共有すべき共通言語となる。この部分で誤解があったり、不明な点があったりすれば、顧客の求める製品は具現化できない。したがって、コンセプト立案の最終段階までに、主要関連部門の間で徹底的に議論し、互いに納得のいくものにしなくてはならないのである。

 

第二段階戦略仮説の検討

 

【4】マーケティング戦略検討

次に、コンセプトを、企業が提供する具体的価値体系に組み立てる。すなわちコンセプトに従ってマーケティング戦略の基本骨子を固めるのである。具体的にはターゲット市場の市場特性(顧客行動、市場規模など)、ポジショニング、マーケティング目標(売上高、市場シェア)を明確にした後、中長期に渡るマーケティングミックス戦略およびマーケティング予算を明確化する。これについては以降の章で解説する。

 

【5】事業経済性分析

暫定的なマーケティング戦略を策定した後、その製品事業に関する経済性の検討を開始する。具体的には、当該製品の予想売上高、原価、利益をいくつかのシナリオ別(例えば楽観的、現実的、悲観的という3パターン)に推定し、自社の戦略目標に合致するものであるかどうかを検討する。この段階で採算性が否定されれば、もう一度製品コンセプトの段階からマーケティング戦略を練り直す必要がある。

 

第三段階製品化

 

【6】製品開発

事業経済性分析において良い結果の出たものについては、設計開発部門を巻き込んで、具体的な製品への作り込みを始める。技術系のスタッフとマーケティンググループは製品コンセプトを具現化するため、様々な製品属性の観点からきめ細かく素材、仕様を検討していく。

具体的な製品像がまとめあげられた後、設計開発部門はそのコンセプトに基づいて、いくつかの試作品を作り上げる。試作品は、造形、機能を含めた物理的、心理的な両面から比較検討されていく。そうして完成した試作品は安全性や耐久性といった実用面の実験に回される一方で、想定顧客の反応を見るために様々なリサーチが行われる。こうしたプロセスを経たうえで担当役員の承認を得て、ようやく発売にこぎつけるのである。製品化が確定したならば、後発メーカーの参入をできる限り阻止するため、開発に関する特許の申請を行う必要がある。そうしておかないと特にアイデア主導型の製品は、模倣品に市場を荒らされてしまうリスクが大きい。