製品戦略5 ネーミング

製品戦略5 ネーミング

ネーミング

 

製品のネーミングは、製品の特徴を伝えたり、顧客の興味を喚起したりする上で大きな力を発揮する。ネーミングの出来いかんが製品の売上を大きく左右する要因となることもある。緑茶飲料のトップブランドである伊藤園の「お~いお茶」の成功にはネーミングの果たした役割が小さくないと言われている。同製品は1989年に、それまで伸び悩んでいた缶入りの緑茶「缶入り煎茶」をリニューアルする形で発売された。「缶入り煎茶」というネーミングはあまりにもストレートすぎるとの意見や「煎茶」という漢字を読めない人が多数いたこともありネーミングが変更されることになったのだ。「お~いお茶」は、家庭の会話の一部を切り取ってネーミングに用いた珍しいケースであるが、その話題性と親しみやすさにより消費者に好感を持って受け入れられた。

ネーミングを決めるタイミングは様々で、コンセプト設計など早い段階でほぼ決まっていることもあれば、試作品やボトルなどの模型作りと並行して固めていくこともある。少なくとも、パッケージへの印刷やプロモーションの詳細を詰めて行く前に決定しておく必要がある。「親しみやすいこと」「覚えやすいこと」「製品との整合性があることなど」を考慮した上で、ユニークな語感を持たせることが肝要である。「缶入り煎茶」と同じように当たり前の表現でも、ネーミングのうまさに定評のある小林製薬にかかると、「ポット洗浄中」「熱さまシート」「のどぬ~るスプレー」「ミミクリン」「髪の毛集めてポイ」となる。また花王が1994年に発売した食器用洗剤「ファミリーキュキュット」は、すすいだ瞬間に汚れ落ちをキュキュッという音で実感できることを表現している。感覚を音で表現したユニークなネーミングとして、様々なメディアに取り上げられ、パブリシティに大きく貢献した。

「リブレ コンシェルジュ」の場合は、単純に社名リブレとサービス内容を表すコンシェルジェとを組み合わせたものだ。コンセルジェという言葉はホテルのロビーに待機している相談のプロフェッショナルとして「優れた」「親切な」というイメージと共に認識されており、リブレのサービスには最適な言葉だと考えられる。また「リブレ」「コンシェルジェ」共にフランス語で、組み合わせた際の語感も配慮されている。ちなみに「リブレ」はお届けするという意味を持ち、やはりサービスとの整合性が意識されている。

なおネーミングの決定では商標の確認も不可欠である。同じ名前で商標登録しているとそのネーミングやロゴは使用できないからだ。現状使用している企業はないと思ってもすでに登録済みのことがある。同時に、これはと思うネーミングは早めに商標登録して、権利を取得、保護しておくことも必要である。