定量調査と定性調査

定量調査と定性調査

定量調査と定性調査

数値化できる情報を収集するのが定量調査。

数値化できない情報を収集するのが定性調査。

定量調査とは

 収集されたデータを数値化することを想定した上で設計された調査であり、市場調査だけでなく、各種の世論調査や実態調査を含めた多くの調査は定量調査です。また、数値データとしての信頼性を確保するためには、比較的多くのサンプル数が必要となります。

 定量調査は、データが数値化されているため、誰でも理解しやすく、時系列での比較や多変量解析といった統計的なデータ処理にも適しています。データを数値化するためには、質問とその回答となる選択肢が予め用意されていなければなりません。

英語:quantitative research

定量調査とは、主にアンケートを通じて得たデータを数値化して、

いろいろな形状のグラフや図で表したものを分析する調査のことを指す。

定量調査のメリットは、数値で表しているので全体像の把握が簡単に行えるということや、

数百・数千単位でのサンプル調査を行うので、統計的な調査が可能な点にある。

この調査のアプローチとして、代表的なものには、

インターネットによる調査(ネットリサーチ ページ参照)、電話による調査などがある。

例えば国政調査や世論調査などは定量調査の典型例であり、

極力多くのパネルかつ全世代男女、均等な地域のモニターに調査を行い、数値とグラフで結果を表示する。

特にインターネット調査が普及していこうは定量調査による調査案件が非常に増えており、

それに乗じて低価格小規模で調査を行う会社が増えてきた。

また、ネット調査のサービスを提供する調査会社も増え、大量の会員を保有する企業が参入をしている。

定量調査の利点

【定量調査とは】アンケート・データを数値化して、グラフや数値表を分析する手法です。

「量=数値」を分析するので「定『量』」と呼ばれます。後述する「定『性』」と対をなしています。定量調査では普通、数百人から数千人の対象者にアンケートを依頼します。

  • 定量調査は単純な「数値」という存在を介しているので、全体の構造が把握しやすくなります。例えば、「全体のうち賛成派が42%、否定派が40%、保留派が18%」といった短いコメントで、おおよその雰囲気をつかめてしまいます。
  • 定量調査は数100人~数1,000人のサンプルを利用しますので、誤差が少なく、実際の数百万人の生活者の意見を凝縮していると見ることができます。
  • 定量調査は数字を使うので、他人への説得力が増します。 従って、企業内の他部署や上部組織の説得材料として多用されます。

「実務担当者の最大の武器」ともいえます。

定量調査の欠点

  • このページの例くらいの数個の数字ならわかりやすいですが、定量調査では何百個もの数字が並ぶのが普通です。すると「数字酔い」したり「数字への拒否反応」が起きることがよくあります。
  • 定量調査は数値に対するノウハウやテクニックが必要な場合が多々あります。

例えば、「商品Aの受容性が62%、商品Bの受容性が55%」と言われても、この「7%」の差がどれくらい重要なのかがわからなければ、戦略や施策の判断のしようがありません。

もしかしたら、62%と55%の差は誤差範囲内なので、どちらを採用しても同じ結果 (売上) が得られるかも知れません。

あるいは、この7%差はかなり重要で、コンビニやスーパーに対する営業体制をかなり強化しないといけない(売上げが上がらない)かも知れません。

定量調査は調査や統計に対する専門知識がないと、単に報告書を持て余すだけになりがちです。

  • 定量調査票(アンケート票)は質問者の設計センスが極めて重要です。

定量調査では「聞いたこと」しかわからないからです。

「何を」「どう」聞くかで実態が正確に把握できるかどうかが決まってしまいます。


定性調査とは

これに対して、定性調査とは、数値を扱う定量調査とは異なり、

ある問題に対してそれがなぜそうであるのかという根拠や理由について調査することをいう。

先の例でいえば、世論調査などが内閣の支持率などを数値で表すものが定量調査となり、

1人1人の賛成反対の意見やその理由を深く聞くことが定性調査になる。

 

 対象者から発せられる生の言葉や行動、あるいは観察者が見たままの状態や印象など、ことばや文章あるいは写真といった数値化できないデータの収集を目的とした調査で、比較的少ないサンプルで実施されます。定性調査の代表的な手法は「グループ・インタビュー」ですが、この他、個別の対象者を長時間にわたって面接する「深層面接法」や対象者の態度や行動、あるいは反応などを観察する「観察法」などがあります。仮説づくりからスタートする定量調査に対し、この定性調査は、仮説を見つけにくい調査テーマや市場の新しい動きを発見して、そこから仮説をつくりあげなければならないケースなどに最適な調査方法といえます。消費者ニーズが多様化、個性化した現代では、消費者意識や行動の仮説づくりが難しくなっていることを考えると、この定性調査の重要性はさらに高まっていくものと予想されます。

【定性調査】

英語:qualitative research

 

定性調査とは、数値結果を集めて行う定量調査とは異なり、

ある問題に対してそれがなぜそうであるのかという根拠や理由について調査する調査方法をさす。

定性調査には様々な方法があり、

例えば、インタビューなどの会談形式による深層心理の把握、内容分析、記号学などがある。

これらを用いることで、人の性格、言動、価値観、関心、習慣といった、変容性のある情報を詳細に調査することが可能となる。

アンケート等で得た情報を数値化して全体の傾向などを把握する定量調査とは異なり、

言語による情報がベースなので、担当者が理解しやすいという長所があるが、

逆に、発言が具体的であるあまりに、詳細な情報は把握できても、

それらの情報を一般化し、全体像を把握することが困難になる可能性がある、という欠点もある。

例えばグループインタビューで複数名から1時間近くかけて意見を集約することで、

そのモニター自身も始めは気がついていなかった潜在的な意見を拾い上げることや、

ある意見が出たときにその意見がそのモニターの週間に基づくものなのか、教育環境に基づくものなのかなど、

なぜその意見が出てきたのかを深掘って調査することができる。

定性調査の利点

【定性調査とは】座談会形式(グループインタビュー)で、出席者の発言(言葉)を分析する手法です。少ない人数(6人~40人)を対象にします。

  • 定性調査は発言(言葉)が対象なので、誰でも親しみやすいのが最大の利点です(何百個もの数字を見なくて済みます)。
  • 定性調査は司会や設計が秀逸だと、当初予定していなかった発言が出現し、新たな発見や深い心理が理解できることも珍しくありません。
  • 定性調査は企業では、実担当者が対象者の心理を探るヒントや現状の修正ポイントのヒント、そして定量調査の設問を作る時のヒントを得るのに適しています(定量調査は上司の説得に使える)。

定性調査の欠点

  • 定性調査は数十人(6人~40人)しか対象にしないので、数百万人の縮図になりません(かといって、定量調査のように、統計的に信頼できるだけの人数を集めようとすると、とんでもない費用がかかります。

(私はメーカー時代に400人の定性調査をしたことがありました。かかった費用はもちろん、時間的にも「いい経験になった。面白かったけど、400人なんてやるもんじゃない」が率直な感想でした)

  • 定性調査は数十人しか対象にしないので、説得力は低くなります。「たった10人の意見だろ?」と上司に言われたら反論のしようがありません。

上記利点のように「ヒントを得るのに適している」は裏返すと「ヒントにしか使えない」ことを意味します。

  • 定性調査は出席者一人一人の発言を議事録で追いかけていくと「意見を変える」「矛盾が出る」ことも珍しくありません。

アメリカでは心理学を学んだ人でないと定性調査ができませんが、日本ではお構いなしです。日本では「表面上の言葉だけを信じて分析し、後で失敗する」ことがよくあります。

定量・定性調査の使い分け

スプーンとフォークがそれぞれ得意分野があるように、定量調査と定性調査は使い分けるのが賢いやり方です。

  • 定性調査で大ざっぱな消費者の心の動きや購入行動を把握しておき(仮説を作り)、定量調査の調査票の質問設計に生かす。
  • 逆に、定量調査でわからなかったところ、もっと深く知りたい部分、もっと知りたい理由や心理的背景を定性調査で聞き込む。

(例えば、テスト品を使用してもらい、使用感や購入意向を定量調査で聞く。その後、「どのような使い方をしたかを実演してもらう」「なぜ、このテスト品を気に入ったか/気に入らなかったかを深く突っ込む」)

  • デザイン修正のように繊細なものが対象の場合は定性調査で聞く方が知りたいことがわかりやすい。

例えば、「好き嫌い」だけなら定量調査の方が適していますが、「どう修正したらいいか」を知りたい場合は定性調査の方が参考になります。