環境分析と市場機会の発見2

環境分析と市場機会の発見2

内部分析

 

内部分析とは、自社でコントロール可能な経営資源について分析を行うものである。具体的には経営戦略、企業、文化、製品、特性市場、シェア、現在までのマーケティング戦略の長所、短所、人的資源、トップのリーダーシップ、資金力などについての分析を行い、自社の強みと弱みを明らかにしていく。

自社の弱みを補うためにアウトソーシング(自社にとって付加価値が高いと思われるクリティカルな機能以外について、外部資源を利用すること)を活用することもある。このような場合、内部分析の際にアウトソースだけである「準構成者」のネットワークも自社の経営資源に含めて考えておいた方が、より正しく企業の実態を捉えることができる。例えばインターネット販売を行う企業であれば、物流を担当するパートナーの能力も合わせて分析しておくと良い。

自社の強みと弱みは、現実にはなかなか把握するのが難しい。リサーチなどを活用して、競合と比較したり、顧客からの評価を確認したりしながら冷静に判断していく必要がある。

 

SWOT分析

 

SWOT分析(Strengths、 Weaknesses、 Opportunities、Threats Analysis)は、「外部・内部」「好ましい傾向・好ましくない傾向」という2軸でマトリクスを作って重要な情報を整理し、分析する。「内部かつ好ましい傾向」が「強みS」、「内部かつ好ましくない傾向」が「弱みW」「外部かつ好ましい傾向」が機会O」「外部かつ好ましくない傾向」が「脅威T」に該当する。

SWOT分析の際にはありのままの現状を捉えるだけでなく、弱みを強みに変えたり、脅威を逆に機械にできないかとポジティブに捉え、自らの市場機会に繋げる姿勢が望まれる。

 

環境分析を行う際の留意点

 

環境の変化を捉える際の留意点として、第1に表層の事象にとどまらず、その奥に潜む変化の本質を見極めることが挙げられる。例えば、バブル経済の崩壊後、価格破壊が起こり、しばらくの間、低価格品や正札品の安売りが消費者の支持を集めた。しかし、低価格志向に走った消費者の大半は、資産価値が下落してしまった一部の資産家に違って、大幅に購買力が低下した訳ではなかったので、新しい経済環境に慣れるにつれて、「安かろう悪かろう」の製品から離れ、「良質のものをお買い得な価格で」買うと言う方向へ変化していった。これは新しい環境に適応していく過程で消費者が試行錯誤して学習を積み、本物志向へと価値観を変えたことを意味する。カジュアル衣料のユニクロを展開するファーストリテイリングが1時期、脅威的な成功を収めた理由もここにある。

こうした変化の本質をしっかり見極めずに低価格のみを前面に打ち出した小売業の多くは過当競争と採算割れのため廃業を余儀なくされた。

第2に、1回や2回、大きな成功を収めたからといって慢心して環境分析を怠ってはいけない。例えば1970年代から80年代にかけていち早くクォーツ時計を市場に導入し、世界ナンバーワン時計メーカーに駆け上がったSEIKOも巻き返しを図るスイスの高級腕時計や、ファッション性を前面に打ち出して時計のありかたを「時を正確に刻む道具」から「TPOに応じて使い分けるファッション」へと変えたスウォッチやカシオのGショックの前に苦戦を強いられることになった。

第3に一見すると脅威のように思われることを機会と捉えたり、弱みと思われることを強みと捉え直すために多面的な思考が必要である。これについては後ほど詳述する。